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地球温暖化対策と景気対策のため、一定の排ガス規制や燃費基準をクリアーした車にはエコカー減税なるものが適用され、さらに補助金までもらえるようになりました。一昨年家を新築して住宅はエコになりましたが、車は平成元年製のタウンエース(4WD)。リッター5〜6kmしか走らず、ガソリンを撒き散らしていました。色々とガタも来ていたので、長年付き合った愛車に別れを告げ、乗り換えることにしました。ここ数年で
ガソリン車の燃費は飛躍的に伸びましたが、電気とガソリンのハイブリッド車、さらに電気自動車と、技術の進歩は目覚しく、どれを選択したらよいのか迷ってしまいます。ここでは我が家の車選びと
新車の性能(燃費)についてレポートします。
〓車選びのポイント〓
何といっても我が家は大家族、子供もまだ小さいので皆で移動することが多く、家族全員が乗れることが最低限の条件になります。家族は夫婦と子供5人なので、最低でも7人乗り、できれば8人乗りが良いのですが、かみさんの要望は、じいちゃんばあちゃんも含めて10人乗り以上。おいおい!それじゃ普通の乗用車ではなく、旅館の送迎用とかの業務用の車になってしまうではないか。しかも駐車場には収まりきれない。申し訳ないが10人乗りは却下されました。
8人乗りということは、ミニバンしか選択肢がなく、トヨタだと、アルファード、ヴェルファイア、エスティマ、ヴォクシー、ノアなど、日産だとエルグランド、セレナ、ホンダだとエリシオン、ステップワゴン、フリードなどが候補として残ります。しかし、元々あまり車には興味がなく、「車は走れば良い」という考えの持ち主ですので、「走りがどうだ!内装がどうだ!装備がどうだ!」といわれてもチンプンカンプン。どれも同じに見えてしまいます。当然予算の制限もあるのですが、決め手はやはり燃費。「エコ住宅に住んでいるのだから、エコカーでなければならない」という何か勘違いしている思い込みから、燃費で選ぶことにしました。というか燃費でしか選べませんでした。
その結果、一番注目したのはやはりハイブリッド車です。
ミニバンでハイブリッドという条件で絞り込むと、トヨタのエスティマハイブリッドしか残りません。ということで、あまり悩むことなく、エスティマハイブリッドに決定しました。
〓20年のギャップ〓
10年で一昔といいますが、20年経つと車も随分変わるものです。20年前はカーナビやETCは無論のこと、自家用車にはテレビや自動ドアはありませんでした。さらにキーも様変わりしており、キーを差し込んでドアを開け、さらにエンジンを始動させるなどという行為は必要なく、20年のギャップを実感させられます。
今まで、別にカーナビやETCなんて必要ないなんて思っていましたが、実際に使ってみると、これがなんと便利なものか。慣れとは恐ろしいもので、もう紙の地図には戻ることができません。
〓燃費を伸ばすための技術〓
私がまだ学生の頃、毎週のように車でスキーに出かけていました。学生でお金もないため、ガソリン代を少しでも節約しようと、赤信号で長く停車する時はエンジンを切り、エアコンは減速時のみONにし、加速時にはOFFにしていました。(走行中にエンジンを切ると、ハンドルとブレーキが重くなるので決して真似しないでください。チャレンジして一度死にそうになったことがあります。)このような涙ぐましい努力で燃費を伸ばしていたのですが、全てが手動ですので、昔はそんな面倒なことをする人はいなかったと思います。今となって思い返せば、「赤信号でエンジンを切る」=「アイドリングストップ」、「エアコンを減速時のみONにする」=「回生ブレーキ」ということで、燃費を伸ばすための技術を手動で行っていたことになります。
今のハイブリッド車は、それらを見事にシステム化し、何ら意識することなく低燃費を実現しているのです。さらに、エンジンとモーターの特性の違いに着目し、燃費効率の落ちる低速時のエンジンをモーターが補助するという
、目から鱗が落ちるような仕組みまで取り入れています。
〓ハイブリッド車の誤解〓
ハイブリッド車とは、「異なる動力源を持つ自動車」ということで、ガソリンによるエンジンと、電気によるモーターとの動力を組み合わせて走るものです。私も誤解をしていたのですが、ハイブリッド車は、ガソリン車から電気自動車へ移行するまでの中間的な車と考えていました。確かにこれから電気自動車が普及するまでの過渡期の車と言えなくはありませんが、電気によるモーターはあくまでもガソリンエンジンを効率化するものであって、それ自体が一次的な動力源ではないのです。
私も実際にハイブリッド車に乗ってみるまでその辺のことを良く理解できておらず、ガソリンでもそこそこ走り、電気でもそこそこ走るものと思っていました。しかし
ハイブリッド車の実際は、電気のみで走行できる距離はわずか数百メートルで、しかも
バッテリーに電気を他から充電することはできません。ハイブリッド車はあくまでもガソリンが主で、電気の源はガソリンです。わずか数百メートルではありますが、低速時のエンジンをサポートしたり、制動時の運動エネルギーを電気として蓄えたりすることで、飛躍的に燃費を伸ばしているのです。
〓ガソリンと電気の絶妙な組合せ〓
かなり前になりますが、トヨタのハイブリッド車のCMで、「電気です。ガソリンです。電気です・・・。」というのがありましたが、実際に
ハイブリッド車を運転してみると、まさにその通りで、状況によってガソリンと電気を絶妙に組み合わせて走ります。スタート時にはモーターのみが動き、ある程度スピードが出るとエンジンが動きます。そしてアクセルを放すとエンジンが止まり、ブレーキを踏むと回生ブレーキが働いて運動エネルギーを電気として回収します。アクセルの踏み込み具合や、バッテリーの残量によってこれらの動作は自動的に調整され、まったく違和感なく車を運転することができます。これらの動きはマルチインフォメーションディスプレイで確認することができ、無駄のない走りをサポートしてくれます。
〓ハイブリッド車の実際の燃費〓
エスティマハイブリッドのカタログでの燃費は20km/Lです(ガソリン車は9.4km/L)。プリウスの38km/Lには及びませんが、4駆で2t近くあることを考えれば、十分な燃費でしょう。で、実際はどうかというと、走り方によって随分変わってきますが、私の運転だと14〜15km/Lは走ります。ガソリン給油時に燃費計をリセットし、次回給油までの燃費を計測しているのですが、今までの最高は17.5km/Lでした。ガソリン車では高速を多用した時に燃費が伸びるのですが、ハイブリッド車は意外と高速では燃費が伸びません。その代わり街乗りで、頻繁に信号に引っかかるような状況でも燃費が落ちないのです。アイドリングストップと減速時の運動エネルギー回収が威力を発揮しているのでしょう。
〓ハイブリッド車の問題点〓
最近ハイブリッド車や電気自動車の音が問題になっています。あまりにも静か過ぎて、歩行者が車の接近に気がつかず、危険だというものです。確かに路地裏を走行しているときは、モーター駆動なのでエンジンは停止しており、エアコンをつけていない時は無音といっても過言ではありません。
路地裏で歩行者が前にいる時、存在にまったく気付いてもらえず、ひたすら徐行するしかありません。かといってクラクションは鳴らしたくないので、がまんするしかありません。
車外にスピーカーを取り付け、「車が通ります!」とかメロディーが流れるものなどが開発されているようですが、折角静かになったのに皮肉なものです。
〓ガソリン車とハイブリッド車、どっちが得?〓
最後に同じエスティマのガソリン車とハイブリット車で、車両の価格差と消費するガソリン代(燃費)を考慮するとどっちが得か試算してみます。価格や燃費はケースバイケースだと思うので、いずれもカタログの数値を元に計算してみます。
エスティマのガソリン車とハイブリット車の車両の価格差 |
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排気量 |
駆動 |
燃費 |
価格 |
ガソリン車 |
2.4L |
4WD |
11.4km/L |
2,950,000 |
ハイブリッド車 |
2.4L+モーター |
4WD |
20.0Km/L |
3,760,000 |
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減税差 |
85,200 |
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価格差 |
724,800 |
比較するのは、同じクラスの車両で、いずれも4WDですが、エコカー減税の減税額の違いも加味して計算してみます。また、ガソリンの価格を120円/Lとします。
ガソリン代の差(120円/L) |
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走行距離 |
ガソリン代 |
ガソリン車 |
ハイブリッド車 |
差 |
1万Km |
109,649 |
62,500 |
47,149 |
2万Km |
219,298 |
125,000 |
94,298 |
3万Km |
328,947 |
187,500 |
141,447 |
4万Km |
438,596 |
250,000 |
188,596 |
5万Km |
548,246 |
312,500 |
235,746 |
6万Km |
657,895 |
375,000 |
282,895 |
7万Km |
767,544 |
437,500 |
330,044 |
8万Km |
877,193 |
500,000 |
377,193 |
9万Km |
986,842 |
562,500 |
424,342 |
10万Km |
1,096,491 |
625,000 |
471,491 |
11万Km |
1,206,140 |
687,500 |
518,640 |
12万Km |
1,315,789 |
750,000 |
565,789 |
13万Km |
1,425,439 |
812,500 |
612,939 |
14万Km |
1,535,088 |
875,000 |
660,088 |
15万Km |
1,644,737 |
937,500 |
707,237 |
16万Km |
1,754,386 |
1,000,000 |
754,386 |
17万Km |
1,864,035 |
1,062,500 |
801,535 |
18万Km |
1,973,684 |
1,125,000 |
848,684 |
19万Km |
2,083,333 |
1,187,500 |
895,833 |
20万Km |
2,192,982 |
1,250,000 |
942,982 |
車両の価格差を消費するガソリン代で回収するには、16万km以上走らなければならないという結果になりました。業務用で乗るならまだしも、自家用で乗っていたのでは
燃費で回収は難しいですね。さらにバッテリーの交換や、ハイテクが故の未知の問題も想定されるので、損得勘定だけでハイブリッド車を選択することはできません。ちなみにガソリン代が200円/Lに高騰したと仮定すると、回収は10万Km程度で、いくぶん
ハイブリッド車が現実的になります。
耐用年数やメンテナンス費用が見えない中、高い初期投資を長い年月をかけて回収するってなんだかオール電化や太陽光発電に似てますね。エコというのはそうゆうものなのでしょうか。
【ハイブリッド車】
2009年9月
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