窓の結露 |
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〓結露の基本〓なぜ結露が起こるのかは、皆さん小学生の頃にお勉強したと思います。空気には飽和水蒸気量というのがあって、含むことのできる水蒸気の量が決まっています。この飽和水蒸気量は温度によって異なり、温度が高いと 多く含むことができ、逆に温度が低いと少しの水蒸気しか含むことができません。同じ水蒸気の量であっても温度が低くなると相対湿度は上がり、さらに温度が低くなると、やがて相対湿度100%(露点)に達して水蒸気が結露となって現れるのです。
〓最近のサッシ〓最近の住宅では、ペアガラスが主流になり、サッシもアルミと樹脂の複合のものが多くなってきました。これは断熱性能を上げるためだけではなく、結露防止にもつながります。ただし、結露が 起こらないというのではなく、結露が起こりにくいということなので、誤解しないようにしてください。よく住宅展示場などで、無知な営業マンが「我が社はペアガラスが標準なので、結露しません。」などと説明していますが、結露しないのではなく、結露しにくいだけなのです。我が家でもアルミと樹脂の複合で、ペアガラスのいわゆる断熱 サッシを入れていますが、実際に結露は起こっています。
〓結露の発生〓複合サッシでペアガラスだったら結露は心配ないだろうと高をくくっていたのですが、少量ながら結露が起こります。1階にはリビングダイニング、キッチン、風呂などがあるのですが、 こちらはまったく結露が起こりません。結露が起こるのは2階の寝室です。6畳ほどの広さに親子6人で寝ているので、おそらく人間の発生する水蒸気で湿度が上がり、結露してしまうのでしょう。 ちなみに人間が発生する水蒸気は呼吸や汗などで1時間に50gと言われています。子供は半分とし、親子6人だと1時間に200gの水蒸気を放散していることになります。一方6畳間の容積は3.6m×2.7m×2.4m16.848㎥ですので、室温20℃の時に含むことのできる水蒸気の量は17.2g/㎥×16.848㎥で289.7gになります。もし元々の湿度が50%あり、部屋が密閉されていたとすると、15分も経たない内に露点に達してしまいます。ただし、換気もありますし、屋根裏を通して家全体に空気が通じているので、実際はそこまで極端ではありません。
〓ガラスの表面温度〓窓ガラスが結露するかしないかは、室内温度、湿度、ガラスの表面温度によって決まってきます。そしてガラスの表面温度はガラスの外気温度、熱貫流率、熱伝導率から求めることができ、式にすると以下のようになります。 ガラスの表面温度=室内温度−(熱貫流率÷熱伝導率(室内温度-外気温度)) 我が家で採用しているガラスの熱貫流率は3.5Wu/K(複層ガラス)、熱伝導率は8.6W/u・Kなので、室内温度20℃、18℃、16℃としたときのガラスの表面温度は以下の表のようになります。 ガラス表面温度の比較
室内の水蒸気の量が、このガラス表面温度で露点に達する場合に結露が発生しますので、室内温度と湿度(または水蒸気量)がわかれば、外気温度が何度になったら結露が起こるかを計算することができます。 〓湿度の推測〓
我が家では寝室に湿度計がなく、明け方の寝室の湿度がどれくらいになっているのかがわかりません。わかっているのは、同じ2階の納戸(結露しない)の湿度で、明け方はだいたい50〜60%を示しています。 〓結露させないためには〓上記の推測より、大人2人と子供2人の場合、150g/時の水蒸気を吐き出しても、換気等で寝室内の水蒸気量は9.5g/㎥以下に保たれています。ここからは強引な計算ですが、納戸の湿度が50〜60%であることから、家全体の湿度を55%とすると、その水蒸気量は7.2g/㎥となり、大人2人と子供2人が吐き出す水蒸気150g/時の寝室残留水蒸気量は、2.3g/㎥となります。大人2人と子供4人になった場合、吐き出す水蒸気量は33%増えるので、残留水蒸気も33%増えると仮定すると、寝室の水蒸気量は10.2g/㎥となります。この水蒸気量で結露させないためには、ガラスの表面温度が12℃以上でなければなりません。室内温度16℃で外気温度3℃の時にガラスの表面温度を12℃に保つのはペアガラスでは不可能です。 ガラス別の表面温度比較
我が家は普通のペアガラスなので、外気温度が6℃を下回ると寝室に結露が出る計算になります。昨年も11月下旬くらいから結露が出始まったので、この計算はかなり実態に近いと思います。もし、ガラスがLow-Eだったら、外気温が3℃でもギリギリ結露しません。しかし、今からガラスを代えるわけにもいきませんので、現実的な対策としては内窓を取り付けることです。単版ガラスの内窓を取り付ければ、外気温度1℃でも結露しません。また、内窓をペアガラスにすれば、結露とは無縁になります。 【窓の結露】2008年1月
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