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風力発電

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太陽光発電

 
 


  昨年の春に、つくば市で「回らない風車」事件が起こったことはご存知の方も多いと思います。新エネルギーに対する無知や過度の期待がお金目当ての悪い人々に利用されてしまったのでしょう。個人レベルでも、太陽光発電も含め、新エネルギーをめぐるトラブルは多いと思います。中でも、風力発電は、「風」というまさに目に見えない力を利用するため、思うような結果が出ないことが多いのです。経済面から冷静に考えると、残念ながら風力発電は、一部の特殊用途を除き、一般家庭での実用性があるとは言えません。しかし、今回あえて風力発電を導入しました。

風力発電

〓導入の経緯〓

 「電気代を安くしたい。」その一念で、太陽光発電の導入を決め、「さらに」と考えたのが風力発電を検討する最初のきっかけでした。色々と調べていくと、カタログ上の性能表示の不思議にぶちあたりました。風力発電も太陽光発電と同じようにカタログには必ず出力が記されています。大抵は最大出力と定格出力が書いてあり、例えば、最大出力450w、定格出力400w(12.5m/s時)という具合です。太陽光発電 では、天気の良い日の正午ごろに、最大出力の80〜90%位の出力が得られます。しかし、風力発電の場合、「12.5m/s時」という条件が付いており、これがどれ程のものかピンときません。ちなみに東京では、時間平均で10m/s以上の風が吹く日は月に2〜3日で、しかもその日の中で10m/s以上の風が吹く時間は1〜2時間です。ということは、定格出力の条件を満たす時間は、年間を通して多くても72時間 程度しかないことになります。「定格出力」と聞くと、そのくらいは常時出力するのだと思ってしまいますが、とんでもない間違えです。なんでこんな非現実的な表示をするのか不思議です。

●風力発電機 Z-501 主な仕様

プロペラ面直径  1170 mm
回転動作範囲直径 1240 mm
重量 6 kg
本体部全長 675 mm
発電開始(カットイン)風速 2.5 m/s
カットイン回転数 500 rpm
定格出力回転数 1700 rpm
上限電圧調整範囲 DC13.0〜17.0V
定格出力(定格風速12.5m/s 時) 400 W
最大出力 450 W
定格出力電圧 DC12V

では、実際にどれくらい発電できるかというと、上記の性能の機種で、1日に50〜100wh程度となります。時間にすると2〜4whということになります。太陽光発電で考えると、年間発電量は 最大出力の約1,000倍です(4kwシステムの場合年間発電量4,000kw)。しかし風力発電の場合、年間発電量は定格出力の100倍にも満たないのです。定格出力400wの風力発電では、年間36kwhしか発電できず、電気料金に換算すると、790円にしかなりません。投資額を電気代で回収しようというのは、まったくのナンセンスになります。

以上のことから、風力発電の導入は一度は見送ました。しかし、「かっこよさそう」という気持ちを捨てきれず、導入を決めてしまいました。なので、導入理由は家の飾り(モニュメント)としてです。ここまで割り切れていれば、 実用性云々ではなくなり、かっこ 良ければそれでいいということになります。後付の理由になりますが、独立電源のため、バッテリーにある程度電気を貯められるので、夜間の停電時にも電気がつけられます。太陽光発電も非常時(停電時)に電気を使えると宣伝していますが、本当に電気が必要なのは夜です。 太陽光は発電しない夜は使えないので、あまり意味がありません。

小型風力発電機 お腹が光る超小型風力発電機

(1)ガ−デニングの新しい景観製品として
(2)本格的な風力発電システムの導入を検討している方の入門機として
(3)自然エネルギ−啓蒙の教材として
(4)夏休みや冬休みの自由研究の素材として

〓設置〓ソーラーパネル

購入した製品はオールインワンのキットもので、必要なものは全て揃っていました。風力発電機本体の他、太陽光パネル(62w)、コントローラ、バッテリー、コンバータ、モニター、架台、工具・・・。そのまま組み立てればすぐに使えます。太陽光パネルは、本物 (連系)が乗っているのでいらないと思ったのですが、独立電源にするので、それはそれで良しとしました。マニュアル通りに付属の架台を使って組み立てると、付属の太陽光パネルが邪魔 で、しかも架台がL字型のため無駄なスペースを作ってしまいます。そのため、太陽光パネルは屋根に乗せ、風力発電機のポールも一部のパーツだけを使っ て足場用のパーツを別に用意し、予め建物に打ち込んでおいたアンカーに接続しました。また、ポールは色気のない足場用のパイプだったので、サビ防止の意味も含めて 鉄部用塗料で塗装しました。モニュメントですから・・・。

アンカー

〓効果〓

効果は結構ありました。近所の人が珍しがって見ています。パワーアシスト機能とやらで、無風でも回ってくれるので、見ていて楽しいです。モニュメントですから・・・。

それはさておき発電の方ですが、前述の通り、期待するものではないので、多少プラスになってるかな程度にしかお話しできません。その代わり、付属の太陽光パネルが確実に発電をしてくれるので、バッテリーにはそれなりに電気が貯まります。この独立電源は、リビングの照明につながって いて、バッテリーがあるときはそれを使い、バッテリーが切れると、自動で商用電源に切り替わります。そしてまたバッテリーの容量が回復すると、自動でバッテリーからの供給になります。特に何もせずに、わずかではありますが、東京電力から買う電力を抑えるのに役立っています。

リモコンモニター

〓問題点〓

発電能力が小さいことは、初めからわかっていたことなので、問題にするのはおかしいのですが、付属の太陽光発電も含めてもう少し発電してほしいです。バッテリー満充電で、丸一日供給することができるのですが、その後バッテリーが切れると、2日程待たなければ再度バッテリーが使えないのです。もう少し 発電してくれないと、いざという時に使い物になりません。なので、独立電源用の太陽光パネルを増設しようと考えています。

風力発電機最大の問題点は騒音です。低騒音というのがセールスポイントのようだったので、 大丈夫だろうと思っていました。騒音というレベルではありませんが、無音ではありません。風が無いときは当然静かなのですが、多少(4〜6m/s)位の風がある時の風きり音が 気になります。言葉で表現するのは難しいのですが、耳に残る高音域の音で、ヒュルルルル−。窓を閉めればまったく聞こえないのですが、外に出ると、結構耳に残ります。静かな住宅街なので、近所迷惑になってしまいます。今の季節は、どこのお宅も窓を閉め切っているので気にならないでしょうが、窓を開ける季節になったら考え物です。それ以上の風の時は、風自信の音もあるし、風車から出る音の音域が変わるので、あまり気になりません。

苦情はまだないのですが、当面の対策として、平日の昼間のみ稼動させています。リビングにあるリモコンモニターで、ON/OFFが切り替えられるので、現在は手動で操作しています。暇ができたらタイマーで自動運転できるように改造する予定です。

※毎月の電気料金、水道料金は水道光熱費月報で公表しています。

※追加レポート:独立電源強化

【風力発電】 2007年1月



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