エコキュート |
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この調子だと、夏にはエコキュートの消費電力が1/3となり、電気料金は1,000円/月程度になることが予想されます。ちょうど冬と夏の中間期であるので、この時期の実際の状況を検証すべく、データを収集しました。この先は三菱電機SRT-HP434WFZについて、少しマニアックな内容になります。 〓沸き上げ設定が変?〓5月に入り、平均消費湯量が450L/43℃換算程度まで落ちてきました。タンクは430Lですので、90℃で沸き上げた場合の貯湯エネルギーは約900L/43℃換算になります。ですので、消費は 貯湯エネルギー量のおよそ半分ということになります。それまでは「おまかせモード」にしており、このモードは、「季節や過去の使用湯量を学習し、沸き上げ温度を適切に設定して沸き上げをおこないます」というもので、 「沸き上げ温度(目安)として約75℃〜約90℃になる」というものでした。 そこで、毎朝7時(沸き上げ完了時刻)にタンク湯温を確認してみました。すると、湯温は88℃〜90℃の間で、一向に下がる気配がありません。半分以上残湯があるにもかかわらず、高温沸き上げを行っていたのです。そこで、「少なめモード」に変更し、様子をうかがいました。このモードは「過去の使用量を学習し、最小限の沸き上げを深夜時間帯に行います。」というもので、 「沸き上げ温度(目安)は約65℃〜約80℃」となっています。しかし、若干湯温はさがったものの、取扱説明書に記載されているように80℃以下に下がりません。 毎朝の湯温
上の表は、「少なめモード」(65℃〜80℃になるはず)に変更してからのタンク内湯温です。傾向としては徐々に下がっているので、このまま80℃以内に収まってくれるものと思われますが、設定を変更してからその設定が反映されるまでかなりの時間を要すようです。(現在三菱電機に問い合わせ中) 〓使用湯量がわからない?〓我が家のエコキュートは前日の使用湯量をリモコンで確認できるようになっており、「昨日の給湯使用量」、「昨日の追いだき・保温使用量」、「過去1週間の1日あたりの平均使用湯量」を表示することができます。これを毎日確認した結果、下の表のようになりました。 使用湯量の比較
取扱説明書には「過去1週間の1日あたりの平均使用量」は「過去1週間、給湯・追いだき・自動保温で使用した給湯使用量(エネルギー)の平均値を43℃の給湯量で表示します」と記載されており、「昨日の給湯使用量」+「昨日の追いだき・保温使用量」の1週間平均と思われます。それを自分で計算してみると、130L〜150L/43℃の差が出てしまいます。誤差と呼ぶにはあまりにも大きい数字なので、何かが違うのでしょう。 ここでちょっと気になったのが、自然放熱によるロスはどうなっているかです。取扱説明書にはその辺については何も触れられていません。ざっくり計算してみると、85℃のお湯が430Lあったとすると、その43℃換算のエネルギーは約850L/43℃になります。この20%が自然放熱によるロスと考えると、約170L/43℃になります。実際は自然放熱していく途中で使われる分もありますので、8割位で考えると、約136L/43℃になります。この数字、上の表の「リモコンの表示との差」に近くないでしょう か。「昨日の給湯使用量」+「昨日の追いだき・保温使用量」=「過去1週間の1日あたりの平均使用量」+「自然放熱」が成り立ちそうです。ただ、これにどんな意味があるかはまったく不明で、結局毎日どれくらいのお湯(43℃換算)を使っているのかわかりません。 もうひとつリモコンからわかる情報があります。それは「残湯量表示」です。携帯電話の電池残量表示のように、4コマの表示で残湯量を示します。これを毎日就寝前(もうお湯は使わない)にチェックしたところ、全ての日が3コマ点灯していました。この残湯量表示3コマは取扱説明書によると、45℃以上のお湯が250L以上320L未満の状態なので、こちらから使用湯量を推察してみます。 残湯量表示からの推計
3コマの表示ということは、最低でも45℃のお湯が250L以上あるということなので、その43℃換算エネルギー量を計算します。次に3コマの表示で最大のエネルギー量を計算します。(湯温は現実的な65℃と仮定しています。)最後に前日の沸き上げ後エネルギー量から、それぞれの残エネルギー量を差し引けば、使用したであろう湯量の範囲が求まります。困ったことに、前に述べた「昨日の給湯使用量」+「昨日の追いだき・保温使用量」がこの範囲に収まらない日が結構あるのです。 これで益々使用湯量がわからなくなってしまいました。感覚的にはリモコン表示による「過去1週間の1日あたりの平均使用量」が最もしっくりくるのですが、確かめようがありません。この件も三菱電機に問い合わせ中です。 〓無駄に沸かしてないか?〓実際の使用湯量算出に行き詰まり、新たな疑問が出てきました。冒頭で報告したように思うように沸き上げ温度が下がりません。何を根拠に沸き上げ温度を決めているかわからない以上、検証のしようがありませんが、5月の1日あたりの給湯使用量は、フル沸き上げの半分以下なのです。なぜなら、エコキュートを1日運転して、翌日停止しても湯切れを起こさないのです。つまり、一度沸き上げると2日持つということで、1日の給湯使用量は半分以下ということになります。5月初旬に実験を行った結果、連続して沸き上げるより、隔日で沸き上げたほうが3kwh/日前後節電でき ました。その後温度が下がらない問題を発見したので、今はデータ収集のために通常の連続運転をしています。前置きが長くなりましたが、エコキュートは貯湯式なので、如何に無駄なく沸き上げるかというのが結構重要なポイントになります。そのため、様々な情報から判断して最適な沸き上げを行っていると思うのですが、現状ではとても最適とは思えません。 我が家の現状から、2日分を1日で沸き上げているとすろと、連続運転した場合、常に1日分のお湯が残っており、この自然放熱ロスがまるまる無駄ということになります。使用量かつかつでは、湯切れしてしまって返って効率が悪いので、ある程度の残湯は必要なのですが、1度沸き上げると2日持つということを前提に、連続して運転した場合と 、隔日で運転した場合との比較の意味で検証してみます。 まず単純に考えて、放熱ロスを20%と仮定し、放熱ロスによる消費電力を計算してみます。ロスしているエネルギー量は1日分の湯量450L/43℃×20%=90L/43℃となります ので、9℃の水を43℃まで90L温めるのに必要なエネルギーは(43℃-9℃)×90L÷875kcal=3.49kwh。エコキュートの冬季高温COPは3.0なので、消費電力は、3.49kwh÷3.0=1.16kwhとなります。あれ・・・?隔日運転 の実測値(3kwh前後)と合いません。 再度仕様書とにらめっこをし、ある仮説に行き着きました。 季節別COP
着目したのは、「冬季過熱能力」と「冬季高温加熱能力」です。双方とも外気温、水温は同じですが、沸き上げ温度が違います。つまり沸き上げる温度帯によって効率が変わるということで、高温に なると効率が落ちるということです。 毎日の沸き上げでは、下がった湯温を元に戻すため、高温沸き上げの比率が高くなり、その結果無駄な消費をしているのではないかと考えました。
では、上の表の例ではどれほど効率が落ちるのでしょう。一見単純な引き算(COP:3.7-3.0=0.7)でCOPが0.7だけ落ちるように見えますが、そうではありません。冬季加熱能力は、9℃の水を65℃まで沸き上げる時の効率で、冬季高温加熱能力は同条件の9℃の水を90℃まで沸き上げる時の効率です。ということは、冬季高温加熱能力も65℃までは冬季加熱能力と同じ効率で、残り65℃〜90℃を加えると、9℃〜90℃までを平均して6kw/1.98kw(COP3.0)になるということです。とすると、65℃〜90℃の効率は
、単純な引き算では求まりません。冬季COP:3.7、冬季高温COP:3.0で計算してみます。 ※訂正:計算式や評価について、「我が家のオール電化&太陽光発電」のまぁちゃん様の検算で一部間違えであろうことが判明しましたので、訂正します。
この結果を踏まえ、再度このCOPを元に消費電力を計算してみます。条件は我が家の現状に合わせ、フル沸き上げ後、2日お湯が持つ(1日の使用エネルギーはフルエネルギーの半分未満)だった場合、連続で運転した場合と、隔日で運転した場合を比較します。 連続沸き上げと隔日沸き上げの比較
連続沸き上げ水:(90℃−9℃)×130L÷875kcal÷3=4.0kwh
結論付けると、我が家の場合(沸き上げ温度が下がらない特殊な例だと思います)、毎日連続運転するより、隔日で運転したほうが約 そもそも沸き上げ温度が適切になってくれれば、こんなことを考えずに済んだのですが、そのおかげで高温沸き上げのCOPが極端に落ちるという発見をすることができました。 〓消費電力の予測〓大分回り道をしてしまいましたが、最初のテーマに戻ります。まぁちゃん様の考察では、COPと気温の関係を示すグラフで、冬季高温、定格、夏季のデータを用いています。冬季高温は、先の考察でも出てきたように、ちょっと特殊なデータです。COPと気温の関係は冬季(65℃沸き上げ)のデータを使い、 それとは別に高温加熱(90℃沸き上げ)のCOPを描いてみます。(まぁちゃん様のデータは同じ三菱でも機種が違うため、若干数字が異なります。)
上のグラフは、65℃までしか沸き上げなかった場合のCOPと、90℃まで沸き上げた場合(高温加熱)のCOPです。7℃以下はデータが無いため点線で示していますが、低下の角度はこれよりもきつくなると思われます。エコキュートの実際の運転では、沸き上げ温度が使用給湯量によって変化するので、実際のCOPは2線の間に収まると考えられます。(定格及び夏季COPの高温加熱時データは、冬季高温加熱の比率(81%)を掛けています。) まぁちゃん様と同じ手法により、。((財)建築環境・省エネルギー機構)Lモードの43℃換算湯量(421L/日)準 拠)の電気代を求めて見ます。
上記のグラフはあくまでも((財)建築環境・省エネルギー機構)Lモードの43℃換算湯量(421L/日)準 拠) の電気代です。これは、年間平均して43℃換算湯量421l/日を使った場合のグラフで、実際は夏季と冬季では使用湯量が異なります。そのため、気温との掛け合わせをするのであれば、冬季と夏季の使用湯量の変化を加味しなければなりません。季節別の給湯使用量の変化は、お湯の温度が一定だったとすると、混合する水の温度に影響されます。また、気温が低いことによる、自動保温や追い焚きの量に影響されます。そのため、給湯使用量は冬季は多く、夏季は少なくなります。ではどれくらいの影響を受けるのでしょうか?冒頭でも書いたように、実際の使用湯量が???なのです。それでは話しが先に進まないので、リモコン表示の 「過去1週間の1日あたりの平均使用量(L/43℃) 」を参考にしたいと思います。我が家の場合1月(冬季)は概ね600L/43℃、5月(定格)は450L/43℃、夏季は・・・?。まだ夏季は経験していませんでした。仕方が無いのでざっくり350L/43℃ってとこでどうでしょうか?(いい加減で申し訳ありません。) この比率12:9:7を掛け合わせ、再度グラフを描きます。
まぁちゃん様の考察では、夏と冬の電気代は4倍近く違うのではないかとの締めくくりでしたが、使用湯量を加味すると5倍以上の差がありそうです。また、高温加熱は非常に効率が悪く、冬場に高温加熱をすると、思った以上に電力を消費してしまいます。同じエネルギー量(43℃換算)であれば、湯量を多くし、低い温度で沸き上げた方が効率がよいのです。
(追加)
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沸き上げ温度(℃) |
エネルギー量(L/43℃換算) |
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深夜のみOFF | 深夜のみON | 深夜のみOFF | 深夜のみON | |||
多め | 90℃ | 90℃ | 多め | 900L/43℃ | 900L/43℃ | |
おまかせ | 75〜90℃ | 75〜90℃ | おまかせ | 750〜900L/43℃ | 750〜900L/43℃ | |
少なめ | 65〜80℃ | 75〜80℃ | 少なめ | 〜800L/43℃※ | 750〜800L/43℃ |
※沸き上げ湯量は、満水(430L)を基本とし、沸き上げ温度が65℃でも湯が余る場合に湯量を少なくする仕組みとのことです。なので、沸き上げ湯量を満水(430L)にしないのは、「少なめ」「深夜のみOFF」の組合せしかなく、他の設定では全て満水(430L)のお湯を沸き上げます。
まず、一番多用されるであろう「おまかせ」モードについてですが、深夜のON、OFFを問わずエネルギー量は750〜900L/43℃の範囲になります。変動率はわずか20%しかありません。1月の我が家の平均使用湯量は約600L/43℃、6月下旬現在の平均使用湯量は約350L/43℃です。実際の使用で真冬と真夏を比較すると、使用湯量は2倍(100%)近く違うのです。使用湯量が100%変動するのに、沸き上げを20%しか変動させないで、「季節や使用湯量を学習し、適切にお湯を沸かします。」と言えるのでしょうか?
また、「少なめ」「深夜のみOFF」を除き、最低沸き上げエネルギーは750L/43℃になります。350L/43℃しか使わない我が家では、無駄にお湯を沸かさないために「少なめ」「深夜のみOFF」を選択するしかありません。しかし、これがまた問題なのです。
平均使用湯量が約350L/43℃の現在、「少なめ」「深夜のみOFF」の設定で運転をすると、 夕方に沸き増しをしてしまうのです。「少なめ」設定なので、深夜にはギリギリしか沸かさず、夕方には湯切れ警戒残湯の100Lを切ってしまいます。これでは 消費電力は抑えられますが、電気代が高くなってしまい、使い物になりません。せめて沸き増ししない範囲での最低限の沸き上げをしてほしいのですが・・・。
結局、程よい設定がなく、無駄に沸かすか、高い電気代を払うかしかないのです。「マイコン制御で賢く沸き上げ」と言っている割には、あまりにもお粗末な内容だと思います。 「深夜のみに沸かしたかったら最低でも750L/43℃以上のお湯を沸かし、無駄に沸かしたくなかったら昼間も沸き増しする。」こんなんでいいんですか?三菱電機さん。
「なんかおかしいな」と思い始めてから早2ヶ月が経過してしまいました。ようやくエコキュートの仕様が明らかになったので、最後に現状ではどの運転方法が最も電気代が安いかシミュレーションしてみたいと思います。
検証条件
・季節 気温16℃、水温17℃(定格)
・毎日の使用湯量=350L/43℃
・自然放熱=20%/日
・ COP 〜65℃=4.5 65℃〜75℃=2.2 3.0 〜75℃=4.1 〜90℃=3.6
・設定 1.「おまかせ」「深夜のみ」 2.「多め」「深夜のみ」+隔日運転 3.「少なめ」
※〜75℃のCOPは、90℃までの高温沸き上げ(約20%ダウン)×10/25、65℃〜75℃のCOPは通常沸き上げ(65℃)と高温沸き上げ(75℃)の差分より算出
タンク温度75℃で350L/43℃を使うと、75℃の消費湯量は約200Lになります。なので、毎日200Lを16℃から75℃へ沸き上げ、430Lの自然放熱分15℃を回復しています。これを計算すると、(75℃-16℃)×200L÷875kcal÷4.1+(75℃-60℃)×430L÷875kcal÷2.2=6.5kwh
電気代:6.5×7=45.5円
(75℃-16℃)×200L÷875kcal÷4.1+(75℃-60℃)×430L÷875kcal÷3.0=5.7kwh
電気代:5.7×7=39.9円
1日目に350L/43℃を消費すると、、1日目終了後の残エネルギー量は900L/43℃-350L/43℃×0.8=440L/43℃となります。2日目には自然放熱も含め、これをほぼ使い切ってしまうので、2日に一度16℃から90℃へ430Lを沸き上げているのと同じになります。これを計算すると、(90℃-16℃)×430L÷875kcal÷3.6=10.1kwhで、1日にすると5.1kwh
電気代:5.1×7=35.7円
1日の中で最も残湯が減少する夕方(風呂湯張り)に沸き増しをしてしまいます。沸き増しは、残湯が100Lを切った場合、150Lまで回復させます。そのため、夕方の時間帯に50〜100Lを沸かします。真ん中をとって75Lを沸かすとすると、深夜には350L-75L=275Lを沸かすことになります。自然放熱の回復は、深夜に行ったとし、
沸き上げ温度を65℃として計算してみます。
昼間:(65℃-16℃)×75L÷875kcal÷4.5=0.9kwh
深夜:(65℃-16℃)×275L÷875kcal÷4.5+(65℃-52℃)×350L÷875kcal÷4.5=4.5kwh 昼+深夜=5.4kwh
電気代:0.9×20+4.5×7=49.5円
シミュレーションの結果、2.「おまかせ」「深夜のみ」+隔日運転が最も電気代が安いことがわかります。次に1.「おまかせ」「深夜のみ」、3.「少なめ」という順番になります。電力量で見た場合は1.「おまかせ」「深夜のみ」と3.「少なめ」が逆転する結果となりました。我が家のエコキュートの場合、1日の使用湯量がフルエネルギー(900L/43℃)の半分を下回る春〜秋にかけて、手動で隔日運転する方法が最も電気代を抑えることができるようです。
※追加レポート:エコキュートの断熱
※毎月の電気料金、水道料金は水道光熱費月報で公表しています。
【エコキュート】 2007年6月
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