オール電化効果 |
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オール電化にした理由は オール電化のために導入した機器
まず、比較検証に際しての注意ですが、オール電化と太陽光発電を混同して考えられている方がいます。広告でも、「オール電化に太陽光発電をプラスしてさらにお得!!」なんていうがよくあり、オール電化と太陽光発電を組み合わせると相乗効果があるように宣伝していたりします。しかし オール電化と太陽光発電はまったく関係がなく、別々で考えるべきものです。なので、我が家でも太陽光発電を導入していますが、太陽光発電を抜きにして検証します。また、引っ越しをしているため、比較 の前提条件が大きく異なっています。オール電化前⇔オール電化後のような単純な比較はできませんので、「そんなものか・・・」程度に見てください。 光熱費比較
上の表は、去年と今年の1月の光熱費を比較したものです。光熱費を償却抜きでみてみると、オール電化の場合2,000円程安くなっています。オール電化にすると、 電気代が高くなってしまいますが、それ以上にガス代がなくなる影響が大きく、光熱費は安くなっています。 次にオール電化にかかった費用(エコキュート+IH)77万円からガス設備にかかるであろう費用20万円を差し引いた57万円を15年償却と仮定して光熱費に加えてみます。すると、オール電化の方が1,000円程高くなってしまいます。これは比較条件の違いと考えるしかないのですが、どうも納得できません。 使用電力量からもう少し細かく分析してみます。 時間帯別使用電力量
※オール電化の昼は、太陽光発電の自己消費量(推定100Kwh)をプラスしています。 まず、オール電化夜の使用電力量に注目してみます。夜の使用電力量を1日の使用量に換算すると、489kwh/30日=16.3kwhとなります。この時間帯は主にエコキュートでの消費ですので、15kwhをエコキュートで消費しているものと仮定します。また、IHを1日2kwh(2kwで1時間)使ったとすると、オール電化による推定増加分は、(15kwh+2kwh)×30日で510kwhになります。オール電化の合計からこれを差し引くと、913kwh-510kwh=403kwhとなり、エコキュートとIHを除く他の消費電力はガス併用に比べ、若干少なくなっています。少なくなっている理由は、エアコンを省エネタイプに買い換えたり、節電を心がけていたり、それに風力発電が多少貢献していることによるものと思われ、納得できる範囲内です。 とするならば、家が大きくなったことによる電気代への影響はあまりないということになり、電気代の増加は、オール電化(エコキュートとIH)によるものということになってしまいます。結局設備の償却を考えると、経済面で有利になるどころか、ちょっと不利のようです。 しかし、バスタブが大きくなった等のオール電化後の給湯に不利な要素もあるので、判断はつきません。 では、環境面ではどうなのでしょう。CO2で比較してみました。 CO2排出量
意外な結果が出ました。ガス併用よりオール電化の方が断然環境には優しいと思っていたのですが、ガス併用よりオール電化の方がCO2をたくさん出しているようです。電気の使用量が倍以上になっているので仕方がないでしょう。 ここでちょっと疑問です。エコキュートは環境に優しいというふれこみで販売されています。カタログには「1/3のエネルギーでお湯を沸かすことができ、50%のCO2削減・・・ 電気代も月々1,000円程度・・・」と書いてあります。しかし、実際の1ヶ月の消費電力(450kw)から考えると、CO2を170kg-CO2も出していることになり、厨房も含めたガス併用の2倍近くCO2を出していることになります。また、1ヶ月の電気代も、実際は450kw×7円=3,150円と、3倍以上になっています。季節的な問題もあるのでしょうが、ちょっと問題があるのでは・・・。 話しが横にそれてしまいますが、リモコン等で実際にわかっているデータからエコキュートを検証してみます。消費電力は日平均15kw、使用湯量は日平均600L(43℃換算 実際の使用湯量ではありません)です。もし、10℃の水600Lを電気で43℃まで暖めようとすると、(43℃-10℃)×600L÷875kcal=22.6kwhの電力が必要になります。本当にエネルギー効率が3倍ならば、エコキュートの消費電力は22.6kwh/3倍=7.53kwhにならなければなりません。しかし実際は2倍の15kwhも消費しています。半分はどこへ行ってしまっているのでしょう。故障以外で考えられるのは、エネルギー効率3倍というのがそもそもカタログ値で、実際はそこまでいっていないということと、貯湯式の泣き所である自然放熱によって熱が奪われていること位です。この数字が正しいとすると、自然放熱も含めたエネルギー効率は、22.6kwh/15kwh=1.5倍ということになります。一方、仕事量(MJ)当りの単価は、電気(23円/kwh換算)で6.39円、ガス(153円/㎥換算)で3.4円と、電気はガスの1.88倍です。ということは、エコキュートでお湯を沸かすと、1.5倍の効率だけど、1.88倍お高いということになります。夜間の割引電力を使わない場合は、エコキュートは確実に割高ということになってしまいます。辛うじて夜間割引70%OFFのおかげで料金的に割安になっているだけのようです。「1/3のエネルギーでお湯を沸かすことができ、50%のCO2削減・・・電気代も月々1,000円程度・・・」はどういうことなのでしょうか?素人の考察なので、トンチンカンなことを言っているかもしれませんが、間違っている点がありましたら掲示板などでご指摘ください。 今回の計算によると、経済性、環境への影響の双方とも、ガス併用の方がオール電化よりも若干有利という結果になりました。しかし、数字のもってき方によっては、逆転することもあるでしょうし、運用の仕方によっても結果は異なってくると思います。 結論としてはどっちが良いかわかりません。ちなみにこの結果を踏まえても私はオール電化にして良かったと思います。電気好きなので・・・。 ※毎月の電気料金、水道料金は水道光熱費月報で公表しています。 【オール電化効果】 2007年1月 〓追加〓この検証は2007年1月のデータを元にしています。2007年1月の電気料金は、2006年12月20日〜2006年1月20日のもので、この間まだ家が完成しておらず、工事も行われておりました。そのため、通常の生活で使用する以外の電力も含まれており、電気料金が高めに請求されているものと思われます。
追加レポート:電気ガス比較 オール電化
の実際-基本編-
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