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電気ガス比較

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 ガス併用住宅(マンション)からオール電化住宅(戸建)に引っ越してから丸一年が経ちました。引っ越し1ヶ月目に「オール電化効果」をレポートしましたが、1ヵ月分のデータしかなく、十分な検証が行えませんでした。今回は1年分のデータを元に、電力会社の主張する経済性、ガス会社の主張する環境性を検証してみたいと思います。ただし、マンションから戸建への引っ越しのため、同条件での比較ができません。タイトルは「電気ガス比較」ですが、同条件でガス併用からオール電化に変ったわけではないので、「ある家族がガス併用のマンションからオール電化の戸建に引っ越したら光熱費やCO2排出量がこう変わりました」というふうに見てください。

〓条件の違い〓

まずは、旧宅(マンションでガス併用)と新宅(戸建でオール電化)との条件の違いを一覧表にまとめます。

条件の比較

  旧宅(ガス併用) 新宅(オール電化) 比較
契約 従量電灯+ガス 電化上手  
床面積 68u 128u 床面積が約2倍になり、電灯数も増えているが、リビング電灯を独立電源にしているため、電灯による消費の影響は軽微。
間取 3LDK 4LDK
トイレ 1ヶ所 2ヶ所
洗面 1ヶ所 2ヶ所
給湯 ガス給湯器 エコキュート 湯船のサイズが大きくなった分、風呂用の給湯負荷が増えているものと推察。
風呂(湯張り量) 120L 160L
コンロ ガスコンロ IHクッキングヒーター
食洗機 なし あり 電気代増と給湯負荷減が相殺されるため影響は軽微。
冷暖房 エアコン1台+ホットカーペット エアコン2台+ホットカーペット 新宅でも実質1台(新型)しか使用していないため影響は軽微。
乾燥機 ドラム式(電気) 浴室乾燥 年に数回しか使用しないため影響は軽微。
洗濯機 2006年6月買換え 新型使用 増加要因と減少要因が相殺され、影響は軽微。
冷蔵庫 旧型使用 2007年9月買換え
換気 24時間換気 24時間換気 影響は軽微。
テレビ・パソコン・電話・電子レンジ・その他家電 同じ 同じ 影響なし

旧宅(マンション) 新宅(戸建)

一般的に集合住宅と戸建を比較した場合、床面積や部屋数の違いだけではなく、断熱性能の違いによる光熱費の差が大きくなるのですが、新宅は断熱と気密にこだわったため、冷暖房負荷の違いはほとんどありません。感覚的な使用状況から判断しているのですが、「暖房費予測」でも検証している通り、絶対的な使用量が少ないので、全体にあまり影響しません。
 旧宅(ガス併用)と新宅(オール電化)との比較で、一番光熱費に影響していると思われるのは、風呂給湯です。毎日40L分のお湯(風呂自動が付いたので実際にはもっと)給湯負荷が増えています。その他はさほど違いはなく、影響があったとしても軽微と思われます。

〓経済性の比較〓

前述の「条件の違い」を含みおきながら、光熱費の月別の推移を見てみます。

光熱費推移比較

  旧宅(ガス併用) 新宅(オール電化) 新宅と旧宅との
比較
一般家庭 新宅と一般家庭
との比較
電気料金 ガス料金 光熱費計 電気料金 太陽光発電の自己消費金額 光熱費計 光熱費計
1月 9,541 6,729 16,270 11,686 4,706 16,392 122 23,131 -6,739
2月 6,876 5,782 12,658 7,845 3,484 11,329 -1,329 22,758 -11,429
3月 7,502 6,471 13,973 6,544 4,914 11,458 -2,515 20,485 -9,027
4月 6,997 5,926 12,923 5,978 2,990 8,968 -3,955 18,572 -9,604
5月 7,305 4,745 12,050 5,808 3,068 8,876 -3,174 15,702 -6,826
6月 5,617 3,918 9,535 4,376 2,288 6,664 -2,871 13,404 -6,740
7月 6,395 3,339 9,734 4,645 3,484 8,129 -1,605 12,573 -4,444
8月 6,227 2,651 8,878 4,923 3,146 8,069 -809 13,649 -5,580
9月 6,792 3,064 9,856 5,082 2,678 7,760 -2,096 13,877 -6,117
10月 6,288 4,421 10,709 4,837 3,094 7,931 -2,778 12,686 -4,755
11月 6,309 4,898 11,207 5,759 988 6,747 -4,460 14,033 -7,286
12月 7,710 5,424 13,134 7,034 2,704 9,738 -3,396 17,849 -8,111
合計 83,559 57,368 140,927 74,517 37,544 112,061 -28,866 198,719 -86,658

水道光熱費推移比較

まず、一般家庭と旧宅(ガス併用)との比較ですが、旧宅(ガス併用)が総じて低くなっています。そもそも集合住宅の光熱費は戸建に比べて有利ということもあるのですが、節約気味の生活であることがわかります。また、季節的な傾向では、夏よりも冬の方が差が大きく、暖房負荷が少ないことがうかがえます。
 次に旧宅(ガス併用)と新宅(オール電化)を比較してみると、新宅(オール電化)の光熱費は1月の例外を除いて全ての月で低くなっており、オール電化による効果が出ているものと思われます。季節別では夏冬の中間期に差が多く出ており、これはエコキュートの特性によるものと思われます。冬は外気温、水温ともに低くなるのでエコキュートの効率が落ちます。逆に夏は給湯量が少ないので差が出にくくなります。結果、エコキュートの性能がフルに発揮される夏冬の中間期に最も差が出たのでしょう。

次に一般家庭、旧宅(ガス併用)、新宅(オール電化)の年間光熱費合計を比較してみます。

年間光熱費比較

旧宅(ガス併用)では一般家庭に比べ、約30%低い光熱費でした。その旧宅(ガス併用)に比べ、新宅(オール電化)ではさらに20%の光熱費を抑えることができています。新宅(オール電化)は旧宅(ガス併用)に比べ、年間で28,866円の光熱費を削減しており、これがオール電化による経済効果です。しかし、これは「条件の違い」を吸収しての差額なので、実際は28,866円+αがオール電化による効果となります。では「α」がどれくらいかということですが、「条件の違い」で書いたように、給湯負荷の増加くらいしかプラスする要素はありません。これは想像で見積もるしかないのですが、他のものも含めてせいぜい月1,000円、年間12,000円くらいなものでしょう。となると実質オール電化効果は年間 約40,000円、月平均で3,333円がいいところとなります。
 年間40,000円では、高額なオール電化機器の償却を行うまでに相当な年月を要してしまいます。我が家では新築であったため、ガスとオール電化の初期導入費の差額は55万円程でした。しかし、それを償却するまでには 約14年もかかる計算になってしまいます。実際にはガス管が前面道路を通っていなかったので、その工事負担金30万円を考えると、その差額は25万円程に圧縮されるので、 約6年で償却できる計算になりますが、ガス工事が不要な環境であったなら、ガス併用の方が得だった可能性もあります。
 一般に元々光熱費の多い家庭ほどオール電化は経済的に有利と言われていますが、裏を返せば、光熱費の少ない家庭ではオール電化は不利ということで、我が家もその一例のようです。  

◎我が家における「電気VSガス」 経済性の判定 微妙

ワットチェッカー      ワットチェッカー

●コンセントに差し込んで簡単&便利にボタン1つですぐ測定できます。
●電圧(V)、電流(A)、電力(W)、皮相電力(VA)、周波数(Hz)、力率(PF)、積算電力量(KWH)、積算時間(H)。
●液晶画面に数値で表示されひとめで測定できます。

〓環境性の比較〓

経済性では判定が「微妙」となってしまいましたが、環境性ではどうでしょうか?地球温暖化の元凶とされている二酸化炭素の排出量で比較してみます。比較に当って「CO2排出原単位」という指数を使うのですが、この指数のさじ加減によって結果が大きく左右されます。まずはここから議論を始めなければならないのですが、専門家ではないので、一般に使われている数値をそのまま使います。オール電化を語るとき、良く言われるのが、深夜の電力は原子力発電所の発電比率が高いからCO2排出原単位は低い数値を使うべきとのご意見があります。それも確かに一理あるのですが、逆に原子力発電所は環境に優しいのかという議論に発展し、話しがねじれてしまうので、電力システム全体として代表的な1本の数値で計算します。

月別CO2排出量比較

  旧宅(マンション) 新宅(戸建) 新宅と旧宅との比較(Kg-CO2) 「条件の違い」を加味(Kg-CO2)
電力量(KW) ガス量(㎥) 二酸化炭素排出量(kg-CO2) 電力量(KW) 二酸化炭素排出量(kg-CO2)
1月 425 48 254 994 337 82 65
2月 310 40 197 747 253 56 39
3月 337 47 222 700 237 15 -2
4月 317 41 202 586 199 -3 -20
5月 337 31 186 564 191 6 -12
6月 259 24 143 397 135 -8 -26
7月 296 19 144 420 142 -2 -19
8月 288 14 130 427 145 15 -2
9月 314 17 146 409 139 -7 -24
10月 241 28 146 420 142 -4 -21
11月 289 32 172 447 152 -20 -37
12月 353 38 207 615 208 1 -16
合計 3,766 379 2,148 6,726 2,280 132 -75
※CO2排出原単位:電気0.339Kg-CO2(2006年東京電力)
             ガス2.3Kg-CO2(2007年東京ガス)

月別のCO2排出量を見てみると、季節によって勝敗の傾向が分かれました。冬は旧宅(ガス併用)が少なく、夏は新宅(オール電化)が少ないという面白い結果になりました。その理由は、これもエコキュートの特性によるものと思われ、効率の低下する冬は不利になるのでしょう。年間合計で見ると、わずかに旧宅(ガス併用)の方がCO2排出量が少なく、環境に優しいという事ができます。しかし、これも「条件の違い」を含んでの結果なので、風呂の給湯その他が増えている分を引いてあげないといけません。「経済性の比較」では月1,000円分を見込みましたので、1,000円分の電力量50kw(1kwh単価20円)を引いてみます。すると、今度は新宅(オール電化)の方が若干少なくなりました。

◎我が家における「電気VSガス」 環境性の判定 微妙

 


 〓用途別の比較〓

いずれにしても我が家では「微妙」という歯切れの悪い結果となってしまいましたが、もう少し踏み込んで、用途別に推測してみます。ここからは机上の話しですが、オール電化の真髄が見えてきます。
 まず、電気とガスの価格とCO2排出原単位を熱量当りで算出します。それを元に給湯と調理で、経済性と環境性の優劣を評価します。

電気とガスの比較

  電気1Kwh ガス1㎥
熱量 3.6MJ 45MJ
単価 22円 120円
熱量当り単価 6.11円/MJ 2.67円/MJ
CO2排出原単位 0.37Kg/Kwh 2.1Kg/㎥
熱量当りCO2排出原単位 0.102Kg/MJ 0.046Kg/MJ

ここで用いた各数値と比較条件は、私が勝手に選んだものなので、参考程度に見てください。また、「電気/ガス指数」は小さいほど電気が優位ということです。

・給湯(エコキュートvsガス給湯器)

  比較条件 エコキュートのCOP=3、電気料金=1/3で計算
   経済性 電気:6.11÷3÷3=0.67円/MJ ガス:2.67円/MJ
        電気/ガス=0.25
   環境性 電気:0.102÷3=0.034Kg/MJ ガス:0.046Kg/MJ
        電気/ガス=0.74

・調理(IHクッキングヒーターvsガスコンロ)

  比較条件 IHの効率79%、ガスコンロの効率56%で計算
   経済性 電気:6.11÷0.79=7.73円/MJ ガス 2.67÷0.56=4.76円/MJ
        電気/ガス=1.62
   環境性 電気:0.102÷0.79=0.129Kg/MJ ガス 0.046÷0.56=0.082Kg/MJ
        電気/ガス=1.57

この結果を我が家に照らし合わせてみると、「まぁーこんなものか」という感じです。経済性で見てみると、給湯は圧倒的に電気が有利ですが、調理は電気が不利になっていまいます。使用量のボリュームは給湯の方が全然大きいので、電気の経済性が出ているものと思われます。ここで十分な経済性が得られなければ、高額な初期導入費を回収することができません。損得を考えるとき、単に消費電力のボリュームだけで考えるのではなく、給湯と調理の使用比率も考える必要があるようです。オール電化にとって料理好きは不利要素、風呂好きは有利要素となります。

また環境性ですが、給湯の電気/ガス指数が経済性ほど良くありません。そのため、我が家でもそうだったように、電気とガスではあまり違いが出ないようです。給湯と調理が行って来いで、あまりCO2削減にはなっていないようです。これも給湯と調理のバランス次第で、料理好きの家庭がオール電化にした場合、今まで以上にCO2を排出してしまうかもしれません。

〓結論〓

結局、我が家のような使用環境下(光熱費が一般家庭の70%程度)では、初期導入費を考えるとオール電化の経済性はあまり良くなさそうです。しかし、光熱費が一般家庭並かそれ以上 で、特に給湯での消費が大きい場合は十分に効果が出るものと思われます。また、今回は分析しませんでしたが、どれだけ生活を深夜にシフトできるかでも結果は変わってくるので、ライフスタイルも合わせて検討する必要があります。
 環境性については、推測からも実測からもトータルでは大きな違いはないという結果になりました。いくら電力会社がエコキュートの高効率をアピールしても、その裏ではIHが1.5倍のCO2を吐き出し、いくらガス会社がガスコンロのエネルギー効率をアピールしてもガス給湯器はエコキュートの高効率にかないません。結局双方とも長所をアピールしているだけで、短所を含めたトータルで考えると、環境性はどっちもどっちのようです。

※毎月の電気料金、水道料金は水道光熱費月報で公表しています。

追加レポート:オール電化 の実際-基本編-

【電気ガス比較】 2007年12月



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