電気ガス比較 |
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〓条件の違い〓まずは、旧宅(マンションでガス併用)と新宅(戸建でオール電化)との条件の違いを一覧表にまとめます。 条件の比較
一般的に集合住宅と戸建を比較した場合、床面積や部屋数の違いだけではなく、断熱性能の違いによる光熱費の差が大きくなるのですが、新宅は断熱と気密にこだわったため、冷暖房負荷の違いはほとんどありません。感覚的な使用状況から判断しているのですが、「暖房費予測」でも検証している通り、絶対的な使用量が少ないので、全体にあまり影響しません。 〓経済性の比較〓前述の「条件の違い」を含みおきながら、光熱費の月別の推移を見てみます。 光熱費推移比較
まず、一般家庭と旧宅(ガス併用)との比較ですが、旧宅(ガス併用)が総じて低くなっています。そもそも集合住宅の光熱費は戸建に比べて有利ということもあるのですが、節約気味の生活であることがわかります。また、季節的な傾向では、夏よりも冬の方が差が大きく、暖房負荷が少ないことがうかがえます。 次に一般家庭、旧宅(ガス併用)、新宅(オール電化)の年間光熱費合計を比較してみます。
旧宅(ガス併用)では一般家庭に比べ、約30%低い光熱費でした。その旧宅(ガス併用)に比べ、新宅(オール電化)ではさらに20%の光熱費を抑えることができています。新宅(オール電化)は旧宅(ガス併用)に比べ、年間で28,866円の光熱費を削減しており、これがオール電化による経済効果です。しかし、これは「条件の違い」を吸収しての差額なので、実際は28,866円+αがオール電化による効果となります。では「α」がどれくらいかということですが、「条件の違い」で書いたように、給湯負荷の増加くらいしかプラスする要素はありません。これは想像で見積もるしかないのですが、他のものも含めてせいぜい月1,000円、年間12,000円くらいなものでしょう。となると実質オール電化効果は年間
約40,000円、月平均で3,333円がいいところとなります。 ◎我が家における「電気VSガス」 経済性の判定微妙
〓環境性の比較〓経済性では判定が「微妙」となってしまいましたが、環境性ではどうでしょうか?地球温暖化の元凶とされている二酸化炭素の排出量で比較してみます。比較に当って「CO2排出原単位」という指数を使うのですが、この指数のさじ加減によって結果が大きく左右されます。まずはここから議論を始めなければならないのですが、専門家ではないので、一般に使われている数値をそのまま使います。オール電化を語るとき、良く言われるのが、深夜の電力は原子力発電所の発電比率が高いからCO2排出原単位は低い数値を使うべきとのご意見があります。それも確かに一理あるのですが、逆に原子力発電所は環境に優しいのかという議論に発展し、話しがねじれてしまうので、電力システム全体として代表的な1本の数値で計算します。 月別CO2排出量比較
月別のCO2排出量を見てみると、季節によって勝敗の傾向が分かれました。冬は旧宅(ガス併用)が少なく、夏は新宅(オール電化)が少ないという面白い結果になりました。その理由は、これもエコキュートの特性によるものと思われ、効率の低下する冬は不利になるのでしょう。年間合計で見ると、わずかに旧宅(ガス併用)の方がCO2排出量が少なく、環境に優しいという事ができます。しかし、これも「条件の違い」を含んでの結果なので、風呂の給湯その他が増えている分を引いてあげないといけません。「経済性の比較」では月1,000円分を見込みましたので、1,000円分の電力量50kw(1kwh単価20円)を引いてみます。すると、今度は新宅(オール電化)の方が若干少なくなりました。 ◎我が家における「電気VSガス」 環境性の判定 微妙
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電気1Kwh | ガス1㎥ | |
熱量 | 3.6MJ | 45MJ |
単価 | 22円 | 120円 |
熱量当り単価 | 6.11円/MJ | 2.67円/MJ |
CO2排出原単位 | 0.37Kg/Kwh | 2.1Kg/㎥ |
熱量当りCO2排出原単位 | 0.102Kg/MJ | 0.046Kg/MJ |
ここで用いた各数値と比較条件は、私が勝手に選んだものなので、参考程度に見てください。また、「電気/ガス指数」は小さいほど電気が優位ということです。
比較条件 エコキュートのCOP=3、電気料金=1/3で計算
経済性 電気:6.11÷3÷3=0.67円/MJ ガス:2.67円/MJ
電気/ガス=0.25
環境性 電気:0.102÷3=0.034Kg/MJ ガス:0.046Kg/MJ
電気/ガス=0.74
比較条件 IHの効率79%、ガスコンロの効率56%で計算
経済性 電気:6.11÷0.79=7.73円/MJ ガス 2.67÷0.56=4.76円/MJ
電気/ガス=1.62
環境性 電気:0.102÷0.79=0.129Kg/MJ ガス 0.046÷0.56=0.082Kg/MJ
電気/ガス=1.57
この結果を我が家に照らし合わせてみると、「まぁーこんなものか」という感じです。経済性で見てみると、給湯は圧倒的に電気が有利ですが、調理は電気が不利になっていまいます。使用量のボリュームは給湯の方が全然大きいので、電気の経済性が出ているものと思われます。ここで十分な経済性が得られなければ、高額な初期導入費を回収することができません。損得を考えるとき、単に消費電力のボリュームだけで考えるのではなく、給湯と調理の使用比率も考える必要があるようです。オール電化にとって料理好きは不利要素、風呂好きは有利要素となります。
また環境性ですが、給湯の電気/ガス指数が経済性ほど良くありません。そのため、我が家でもそうだったように、電気とガスではあまり違いが出ないようです。給湯と調理が行って来いで、あまりCO2削減にはなっていないようです。これも給湯と調理のバランス次第で、料理好きの家庭がオール電化にした場合、今まで以上にCO2を排出してしまうかもしれません。
結局、我が家のような使用環境下(光熱費が一般家庭の70%程度)では、初期導入費を考えるとオール電化の経済性はあまり良くなさそうです。しかし、光熱費が一般家庭並かそれ以上
で、特に給湯での消費が大きい場合は十分に効果が出るものと思われます。また、今回は分析しませんでしたが、どれだけ生活を深夜にシフトできるかでも結果は変わってくるので、ライフスタイルも合わせて検討する必要があります。
環境性については、推測からも実測からもトータルでは大きな違いはないという結果になりました。いくら電力会社がエコキュートの高効率をアピールしても、その裏ではIHが1.5倍のCO2を吐き出し、いくらガス会社がガスコンロのエネルギー効率をアピールしてもガス給湯器はエコキュートの高効率にかないません。結局双方とも長所をアピールしているだけで、短所を含めたトータルで考えると、環境性はどっちもどっちのようです。
※毎月の電気料金、水道料金は水道光熱費月報で公表しています。
追加レポート:オール電化 の実際-基本編-
【電気ガス比較】 2007年12月
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