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 〓太陽光発電のメーカー比較〓メーカー別生産量
 良くある質問に、太陽光発電はどこのメーカーが良いかというのがありますが、太陽光発電システムは、太陽光発電パネルやパワーコンディショナーの性能だけではなく、その他の付随品、保証、サポート体制、価格、耐久性など、 比較評価すべき項目は多岐にわたります。そのため、トータルでここの太陽光発電メーカーがお薦めというのはなかなか答えがでません。しかし、細かいところを比較していくと、それなりに差があるので、代表的な 太陽光発電メーカー(シャープ、京セラ、三洋電機、三菱電機)の比較をしてみたいと思います。
 まずは各社の主力太陽光発電パネルの性能に対するキャッチコピーを各社のWEBから拾って比較してみました。

太陽光発電メーカー キャッチコピー 製品
シャープ
ND-191AV
「モジュール変換効率業界1」

シャープ太陽電池

京セラ
RD183X-QP-R
「反射によるロスを抑えて、高出力を実現しました。」

京セラ太陽電池

三洋電機
HIP-200BK1
「設置面積あたりの発電量世界1」

三洋電機太陽電池

三菱電機
PV-MX185H
「ふたつの高性能を組み合わせて我が家も最高発電へ」

三菱電機太陽電池


 各メーカーともすごそうなキャッチコピーです。ここで気になるのが、変換効率1を謳っているメーカーが2つあること。シャープと三洋電機のどちらが1なのでしょうか?
 それでは前に勉強した太陽光発電パネルのモジュール変換効率で比較してみます。

モジュール変換効率比較
シャープ(ND-191AV)  14.4%
京セラ(RD183X-QP-R)  13.5%
三洋電機(HIP-200BK1)  17.0%
三菱電機(PV-MX185H)  13.0%


 どうやら三洋電機が1のようです。ではシャープはうそつき?注意書きをよーく見てみると答えが書いてありました。「※国内住宅用多結晶モジュールの量産品において」と但し書きがあります。そうです。三洋電機は薄膜シリコンと単結晶のハイブリッドなので、多結晶ではないのです。ウソではありませんが、とても紛らわしいですね。 太陽光発電パネルのモジュール変換効率を比較すると、三洋電機がダントツで、一番悪い三菱電機との差は30%もあります。では、これに価格を加味して比較するとどうなるでよう。パネルの単価を公称最大出力で割って1kwあたりの単価(定価)で比較してみます。

1kw当たりの定価比較  
シャープ(ND-191AV)  520,000円/kw
京セラ(RD183X-QP-R)  609,000円/kw
三洋電機(HIP-200BK1)  719,000円/kw
三菱電機(PV-MX185H)  619,000円/kw


 あくまでも定価ベースの比較ですが、太陽光発電パネルはシャープが一番安く、三洋電機が一番高い結果となりました。その差は38%もあります。
 では次にパワーコンディショナーを比較してみます。同じようにキャッチコピーから。

太陽光発電メーカー キャッチコピー 製品
シャープ
JHS-6A3 4.5kw
「通信ソフト搭載高効率ストリングパワーコンディショナー」  シャープパワーコンディショナー
京セラ
PVN-551B 5.5kw
「効率よくフレキシブルに」  京セラパワーコンディショナー
三洋電機
SSI-TL55A2 5.5kw
「モジュールの性能をフルに引き出す高い変換効率」  三洋電機パワーコンディショナー
三菱電機
PV-PN55G 5.5kw
「パワーコンディショナーの進化こそが、太陽光発電の進化―新1変換効率も、三菱」  三菱電機パワーコンディショナー


 キャッチコピーだけでは良くわかりません。ただ、シャープのみが屋外用なのに対し、他の3社は屋内設置用という違いがあります。ではパワーコンディショナーの変換効率で比較してみましょう。

パワーコンディショナーの変換効率比較
シャープ(JHS-6A3 4.5kw 94.0%
京セラ(PVN-551B 5.5kw 94.5%
三洋電機(SSI-TL55A2 5.5kw 94.5%
三菱電機(PV-PN55G 5.5kw 96.5%


 変換効率で見てみると、三菱電機が一番高く、シャープが一番低い結果となりました。その差は約2.6%です。次に定価を比較してみます。

パワーコンディショナーの定価比較
シャープ(JHS-6A3 4.5kw 405,300円
京セラ(PVN-551B 5.5kw 504,000円
三洋電機(SSI-TL55A2 5.5kw 420,000円
三菱電機(PV-PN55G 5.5kw 525,000円


 シャープは定格出力が他社に比べて小さいので厳密な比較にはなりません。同じ5.5kwの3社の中では、三洋電機が一番安く、三菱電機が一番高くなっています。変換効率の差から考えると、三洋電機と京セラは同じなのに、京セラは価格だけが高くなっています。
 ここで、パワーコンディショナーの性能差が、コストパフォーマンスにどれ程影響を与えるかなのですが、例えば太陽光発電5kwのシステムで試算すると、年間発電量は約6,000kwh。変換効率が2%違っていたとすると、発電量の差は120kw。売電単価が28円だったとすると、年間で3,360円の違いになります。パワーコンディショナーの寿命は10年と言われておりますので、10年で考えると33,600円。京セラと三菱電機のパワーコンディショナーの価格差は21,000円なので、三菱電機が有利になりますが、三洋電機と三菱電機の差は105,000円ありますので、いくら三菱電機の変換効率が高くても、定価の安い三洋電機が有利になります。

次に太陽光発電パネルの特性やパワーコンディショナーの性能を加味したシステム全体での各メーカーが公表している予想年間発電量を1kw当たりで比較してみます。

1kw当たり予想年間発電量
シャープ NE-53Y1R(屋根一体型) 989kwh/1kw
京セラ SD6246(屋根一体型) 1,036kwh/1kw
三洋電機 NKH210 1,115kwh/1kw
三菱電機 MX185H 1,038kwh/1kw


 公称最大出力から求められたシステム容量が同じであっても、太陽光発電パネルの特性やパワーコンディショナーの性能差によって、実際の発電量は随分変ってきます。一番高いのは三洋電機で、一番低いのはシャープ。その差は約12.7%です。最後に、1kw当たりの定価の価格差と、予想年間発電量を金額(単価28円)に換算した発電金額差から、一番コストパフォーマンスの良いシャープを基準にして時系列でのコストパフォーマンス変化を比較してみます。

シャープを基準にした定価での時系列コストパフォーマンス
  1Kw当たりの定価 1kw定価差 年間の発電金額差 10年後の差 20年後の差 30年後の差 シャープに追いつく年数
シャープ 520,000円 0 0

-

-

-

-

京セラ 609,000円 89,000円 1,316円 75,840円 62,680円 49,520円 68年
三洋電機 719,000円 199,000円 3,528円 163,720円 128,440円 93,160円 56年
三菱電機 619,000円 99,000円 1,372円 85,280円 71,560円 57,840円 72年


太陽光発電メーカー別コストパフォーマンス

いくら発電量の多い三洋電機でも、シャープにおいつくためには54年かかってしまいます。同じく京セラも65年、三菱電機も69年と、耐用年数の2倍以上の年月を要します。ここでは途中で交換するであろうパワーコンディショナーの価格差は含んでおりませんが、価格の安い三洋電機が若干有利になる他は、京セラ、三菱電機は価格が高いので、返って割高になってしまい、結果的に3社が並ぶだけで、シャープには追いつきません。
 ということで、あくまでも定価で見た場合の最終的なコストパフォーマンス比較は、シャープが抜きん出ていることがわかりました。京セラと三菱電機は、特性も価格も似たり寄ったりでコストパフォーマンスも同じ、三洋電機は、特性も良ければ価格も高く、結果他の2社とコストパフォーマンスは同じという結果になりました。
 ここでの検証はあくまでも太陽光発電パネルと、パワーコンディショナーの定価ベースでのお話しです。この他の付随品や、工事、割引価格もメーカーや業者によって異なりますので、実際に見積を取り寄せて比較しなければなりません。
 各社の見積を取り寄せ、システム1kw当たりの価格(総費用÷システム容量)がわかれば、概ねメーカー毎のお買い得感がわかります。各メーカー間の許容価格差は、電気料金単価が28円で、30年使うことを前提にすると、以下の表のようになります。

太陽光発電1kw当たりメーカー間許容価格差
  京セラ 三菱電機 三洋電機
シャープ 49,520円 57,840円 93,160円
京セラ   8,320円 43,640円
三菱電機     35,320円


 シャープ→京セラ→三菱電機→三洋電機と高くなっていきますので、各メーカー間の差を比較して、許容価格差よりも大きければ、安いメーカーの勝ち、逆に許容価格差よりも小さければ安いメーカーの負けとなります。

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〓太陽光発電の実際の導入費用〓
太陽光発電を導入しようとした時、まず始めにすることは見積をとることです。同じシステムであっても、設置する屋根や建物は様々ですので、その屋根にはどれくらいの容量のシステムを、どれくらいの工事費で設置できるか見積ってもらう必要があります。また、それと同時に予想発電量の見積も行う必要があります。よくある話しで、屋根も見ずに見積もりをする 太陽光発電設置業者がいるようですが、設置できるできないは無論のこと、周囲の建物の状況(影)を把握し、正確な予想発電量を出すためにも、現地調査は絶対に必要です。
 しっかり現地調査を行った上で作成される見積には、必要な部材(太陽電池、パワーコンディショナー、ケーブル、架台)と工事費、諸経費などが記載されており、最後に値引きされて総費用が明記されます。必要な部材には定価がありますが、工事費や諸経費には定価はなく、業者のさじ加減によるところが大きいですが、総額からの値引きをするところがほとんどですので、総額を見れば細かいところはあまり関係がありません。

太陽光発電の【見積例1】        
システム名称:PV24R180 4.32kwシステム(京セラ)
品名 仕様 数量 単位 単価 金額
太陽電池 R180T-02 24 108,000 2,419,200
パワーコンディショナー エコノラインEX403 1 300,000 300,000
接続ユニット JB40 1 35,000 35,000
ラックシステム 直金具方式 1   266,000
設置工事費   1   360,000
売電メーター費 120Aタイプ 1   14,020
合計         3,394,220
値引き         -1,054,220
消費税         117,000
税込み金額         2,457,000
備考:エコノナビットプレゼント
         
【太陽光発電の見積例2】        
システム名称:PVS-24L4 4.80kwシステム(三洋電機)
品名 仕様 数量 単位 単価 金額
太陽電池 HIP-200B2 24 137,000 3,288,000
パワーコンディショナー SSI-TL55A1 1 400,000 400,000
接続ユニット PVC-SNK6 1 33,000 33,000
ラックシステム アンカー方式 1   161,200
エネステーション STK-RCS-PCN1C 1 72,000 72,000
設置工事費   1   360,000
売電メーター費 120Aタイプ 1   14,020
合計         4,328,220
値引き         -1,328,220
消費税         150,000
税込み金額         3,150,000


 上記は実際に我が家でとった太陽光発電の見積です。見積例1は京セラのシステムで1kw当たりの単価にすると、56.8万円、見積例2は三洋電機のシステムで、1kw当たりの単価は65.6万円です。その差は11.2万円あり、メーカー比較で行った実際の発電量から換算したメーカー間許容価格差(京セラ-三洋電機:43,640円)を超えており、コストパフォーマンス的には京セラが有利になります。我が家では屋根の都合上どうしても三洋電機を導入したかったので、業者にメーカー間許容価格差を説明し(こちらの勝手な都合ですが・・・)、粘り強く交渉をして、見積例2をさらに安くしてもらい(許容価格差の範囲までは無理でしたが・・・)、三洋電機のシステムを導入しました。  


 〓太陽光発電の適正価格〓
 太陽光発電は、工事を伴いますので、個々の設置環境によって「これが適正」というズバリの価格を出すことはできませんが、平均するとどれくらいの価格で導入されているかは統計的に数字が出ます。太陽光発電の損益を計算する上でも、総費用をシステム容量で割った1kw当たりのシステム価格を利用すると便利です。太陽光発電協会のデータによれば、1993年には1kw当たり370万円もしていたものが、2005年には66万円に低下しました。最新のデータではありませんが、ここ数年は大きく変化していないものと思われます。

太陽光発電システム価格の推移
 

そこでひとつの指標として、総額÷システム容量(1kw単価)が66万円に近いかどうかで適正かどうかの判断が行えます。さらに、性能差を加味するため、メーカー別比較でお話しした、メーカー別1kw当たりの許容価格差を加味 して比較すれば、より適正かどうかの判断を行うことができます。

〓太陽光発電の寿命〓
 太陽光発電の期待寿命は、パーツによって異なります。そのため、パーツ毎に考えなければなりません。しかも、期待寿命ですので、保証寿命でないところも注意が必要です。まず、メインとなる太陽光発電パネルですが、各メーカーとも20年以上としています。中には30年以上稼動している例を取り上げ、30年位は大丈夫と謳っているところもあります。太陽光発電パネルは、可動部品ではないため、磨耗や消耗はありませんが、屋外で風雨にさらされる過酷な環境下にあることには違いありません。そのため、パネル構成部品の劣化による不具合が出ないとは言い切れません。それがどれくらいなのかは、普及し始めてからまだ日が浅いため、誰もわからないといったところが正直なところでしょう。次にパワーコンディショナーの期待寿命ですが、こちらは電子部品で構成されているため、期待寿命は10年とされています。その他ケーブルや発電モニターなど、形あるものは永遠ではありませんが、メインとなる太陽光発電パネルと、パワーコンディショナーの寿命を抑えておけば、大方耐用年数として収支計算をすることができます。保証という面から見ると、各メーカーとも、太陽光発電パネルの出力を10年間保証していますので、導入して2〜3年で壊れてしまうということはないようです。

太陽光発電メーカー保証比較
 シャープ  各機器=1年、太陽光発電パネルの出力=10年
 京セラ  発電モニター=1年、その他構成機器、太陽光発電パネルの出力=10年        有料点検を実施すると、火事、台風、落雷でも保証
 三洋電機  発電モニター=2年、その他構成機器、太陽光発電パネルの出力=10年
 三菱電機  発電モニター=1年、その他構成機器、太陽光発電パネルの出力=10年


 各メーカーで保障内容を比較してみると、10年間の太陽光発電パネルの出力保証というのは各メーカー共通ですが、シャープを除く3社がシステム構成機器(パワーコンディショナーを含む)全体を保証しているのに対して、シャープは太陽光発電パネルのみを保証しているのが気になります。
 余談ですが、税法上の太陽光発電の償却年数は17年ということですので、現実的な線としては20年前後と考えるのが妥当かと思います。もし、仮に太陽光発電パネルの寿命が20年とすると、その間にパワーコンディショナーを1回交換しなければなりません(パワーコンディショナーが10年壊れない保障もありませんし、10年で壊れる保証もありませんが・・・)。さらにもう10年太陽光発電パネルが壊れなかったとすると、もう一度パワーコンディショナーを交換する必要があります。そうすると、太陽光発電の寿命については、以下3つのシナリオができあがります。

 ・10年:保障期間満了後直ぐに壊れる→最悪のシナリオ
 ・20年:期待寿命の下限→妥当なシナリオ(パワーコンディショナー1回買換え)
 ・30年:未知の領域→導入した人は皆期待しているシナリオ(パワーコンディショナー2回買換え)

〓太陽光発電の補助金〓
 1993年の太陽光発電システムの1kw当たりの単価は370万円もしており、まともに購入したのでは到底回収できない金額でした。これではまったく普及しないので、国が補助金を出し、普及を推進してきました。その結果、太陽光発電の普及とともにシステム単価が順調に下がったのですが、単価の低下とともに補助金の額も下がり、2006年にはついに打ち切りとなりました。打ち切りの背景としては、十分価格が低下し、補助金なしでも回収が可能になったとの見方からのようですが、年々倍増していた導入数が、打ち切り後は頭打ちとなり、ここ数年で太陽光発電の普及が大きく遅れてしまいました。そのため、補助金復活の機運が高まり、1kw当たり7万円の補助金がもらえるようになりました。
 これとは別に、地方自治体で太陽光発電の補助金を出しているところもあり、場合によっては1kw当たり7万円プラスαの補助金がもらえるかもしれません。導入前にお住まいの都道府県、または市区町村に確認してください。

〓太陽光発電の経済収支〓
太陽光発電は、導入時に大きな資金が必要になります。投じた資金を発電によって得られた電力を自己消費(買わなくて済む)したり電力会社に売ったりして回収していきます。導入するシステム容量によって、どの程度発電するかは前にお話しした通りです。さらに回収できる期間(寿命)もお話ししました。太陽光発電の収支を考える上で、この2つは動かしようのない係数です。唯一変るのが導入費用です。1kw当たりいくらでシステムを導入できるかで収支が決まってきます。

例えば、三洋電機のHITシリーズを、システム容量5.0kw、総額330万円で導入したとします。1kw当たりのシステム単価は330万÷5.0=66万円になります。
 これに補助金が1kw当たり7万円出たとして、330万円−(7万円×5kw)で295万円の投資として考えます。
 HITの年間の予想発電量は1kw当たり1,115kwですので、1,115×5.0=5,575 で、予想年間発電量は5,575kwhになります。電気料金単価を28円(料金プランによって大きく異なるので注意が必要)とすると、毎年156,100円を回収することになります。
 10年で1,561,000円を回収。ここで壊れてしまうと、2,950,000−1,561,000=1,389,000円の損。
 20年で3,122,000円の回収ですが、パワーコンディショナーの交換費用(400,000円)を見込むと、まだ228,000円の赤字です。
 さらに未知の領域30年使用できたとすると、パワーコンディショナーの交換を2回行って、993,000円のプラスになります。

30年もったとして、元金2,950,000円が30年で3,943,000円になるということは、年率0.92%の利息が付いたのと同じになります。10年定期の利率が0.7%程度なので、利回りとしては悪くありませんが、30年間太陽光発電パネルが壊れなければの話しです。銀行が破綻するのとどっちがリスクが高いかはわかりませんが・・・。

太陽光発電の損益と利回り 【現金購入とローン(3%)購入】  
  5年 10年 15年 20年 25年 30年
現金損益 -2,169,500円 -1,789,000円 -1,008,500円 -628,000円 152,500円 933,000円
現金利回り   -8.90% -2.75% -1.18% 0.20% 0.92%
ローン損益 -2,719,500円 -2,889,000円 -2,658,500円 -2,278,000円 -1,497,500円 -717,000円
ローン利回り   -32.10% -14.20% -7.12% -2.79% -0.92%
  ↑パワコン買換え ↑パワコン買換え  

 

太陽光発電の損益と利回り

いずれにしても、太陽光発電で大儲けをすることはできません。むしろリスクの方が高いです。上記の例では、最適な発電環境で、しかも比較的安めに導入した場合の試算です。よりリスクを下げるためには、最適な発電環境で、より安く導入しなければなりません。よっぽど安く導入できない限り、ローンでの購入では元をとるのは不可能 でしょう。よくある話しで、「太陽光発電を15年ローン(3%)で購入し、15年まではローンの支払いを太陽光発電の経済効果で相殺し、15年以降はまるまる電気代がタダですよ。」なんてのがありますが、ローン金利3%で試算をしてみると、返済が終わる15年目までは、金利負担で損益が改善せず、結局15年目から本体の回収がスタートするような形になります。これでいくと結局30年でも元を取ることができません。
 金利3%の15年ローンで収支をトントンにするには、1kw単価40万円以下で導入しなければなりません。

以上をまとめると、現実的な線として20年で元をとるためには、ローンを使わず現金で1kw当たり補助金も含めて60万円以下で導入しなければなりません。また、このシミュレーションは三洋電機のHITを想定しましたので、シャープであれば50万円以下、京セラであれば55万円以下、三菱であれば56万円以下で導入しなければ厳しいのではないでしょうか。

 

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〓で、太陽光発電を実際使ってみてどうよ?〓
 予想年間発電量と実際の発電量太陽光発電の発電量
 太陽光発電で元を取るのは結構厳しいことはわかっていましたが、我が家では結局導入しました。損するのは嫌だけど、収支がトントンであれば、面白いと思ったからです。導入してまだ2年目なので、収支がトントンになるかどうかはわかりませんが、今のところ予想以上の回収をしています。導入したのは三洋のHIT4.8kwで、総費用は290万円。1kw当たりの単価にすると、約60万円で、経済収支のシミュレーションとほぼ同じ感じです。設置環境(南から東へ15°傾斜角23°)は、ベストとは言えませんが、予想年間発電量よりも5%程多く発電をしています。経年劣化で発電量が落ちることを考えれば、当然のマージンかもしれませんが、このペースで発電してくれると、20年以内で回収することができそうです。
エコ投資回収状況で毎月データをアップしています。)

太陽光発電の予想年間発電量と実際の発電量
  2007年 2008年
日射量対平均比 105.7% 100.9%
予想年間発電量(メーカー公表) 5,354kwh 5,354kwh
予想年間発電量(日射量加味) 5,659kwh 5,402kwh
実際の発電量 5,973kwh 5,697kwh
予想に対する実績比 105.5% 105.5%


 太陽光発電のメンテナンス

 太陽光発電はメンテナンスフリーと言われますが、本当にその通りです。「パネルの掃除が必要」と言う人がいますが、汚れは雨で流れてしまうので、その必要はありません。我が家ではルーフバルコニーがあるため、太陽光発電パネルの状態を常時見ることができます。冬場雨が降らず、風が強い日が続くと、パネルの表面に汚れが付き、手で触ると手が黒くなります。しかし、雨上がりに確認すると、汚れは綺麗に流れて、手で触っても手が黒くなりません。洗車しない車も、雨が降れば綺麗になってしまうように、パネルも汚れを雨が流してくれるのです 。そのことは実際の発電量のデータ比較からも裏づけられています。もし、汚れが溜まって発電量が低下するのなら、1年目より2年目の方が日射量に対して発電量が下がるはずですが、まったくと言っていいほど変わりません。

太陽光発電の故障
 まだ2年目なので、パワーコンディショナーも問題なく動いています。10年で交換と言われていますが、10年以上問題なく動いているケースもあるようで、その時(寿命)が来ないことを祈るしかありません。その他、外的な要因で、発電量が下がってしまうケース(電力会社側の電圧が高過ぎて、パワーコンディショナーが異常をきたす)もあるようですが、幸いそのようなこともなく、順調に発電しています。

太陽光発電導入による節電意識
 とても高まります。でも、2年もすると飽きてきます。それでも、天気が良い日は得をした気分になるのは変わらず、発電モニターを見るのは楽しいです。未だに地球環境に貢献している満足感はありません。そもそも導入目的がエコ目的ではなく、ケチ目的だったので、仕方ないでしょう。

ということで、今のところ導入してよかったと心より思っています。(業者のやらせじゃないですよ-!)

【太陽光発電の実際-実践編-】 2009年2月

太陽光発電の実際 -基本編-  新たな電力買取制度
水道光熱費月報  エコ投資回収状況



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