電気料金改定 |
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〓電気料金改定のポイント〓電気料金は、基本料+電力量×(単価+燃料費調整額)で計算されます。使用電力量によって単価が変る三段料金制や、時間帯によって単価の異なる料金プランなどもありますが、契約に応じての単価はそれぞれ固定されています。この単価は簡単に変更することができないため、燃料費調整額として、燃料費(主に原油)の相場に応じて自動的に単価にプラスマイナスをし、金額を調整する仕組みになっています。 今まで「電気料金の値上げ」と言われてきたのは、燃料費調整額が上がったということでしたが、今回は、単価そのものが改定になります。さらに、燃料費調整額の計算方法も改定になります。今回はこの2点が改定されるわけですが、改定されるのに「改定後も料金は据え置き」などという不思議なからくりで消費者を煙に巻こうとしています。
1.単価は値上げ
2.燃料費調整額は調整幅を拡大 〓料金据え置きに騙されるな〓今回の改定では上記の2点が改定され、9月から適用されます。それによる影響はというと、9月〜12月までは、今までと変りがありません。料金据え置きは事実です。というのは、単価の値上げ分は現在の燃料費調整分で、9月〜12月の新燃料費調整額はゼロになるからです。ここで東京電力では、燃料費調整額をゼロにすることを「企業努力により・・・」と恩着せがましく発表していますが、そもそも単価を変更するのだから、燃料費調整額はリセットされてゼロになるのが当たり前です。単価を値上げ(改定)した上に燃料費調整額が乗っていたら、改定の意味がない、というか、何のための燃料費調整額かわからなくなってしまいます。 ということで、電気料金は改定したものの、9月〜12月は実質支払い金額は変わりませんよ、という甘い言葉で消費者を安心させておきながら、本当はものすごい値上げが待っているのです。 〓2009年1月からどうなる?〓今回の電気料金改定の背景にはご承知のように原油高があります。そもそもそんな燃料費の相場変動に対応するために燃料費調整額制度が設けられたのですが、前記したように変動幅には制限があり、現行では1.92円までしかプラスすることができません。もうこれ以上現行の燃料費調整額の計算方法では上乗せができないところまで来てしまったので、こっそり調整幅を4.06円まで拡大しているのです。今回の単価の値上げ幅は21.04→22.86円なので1.82円です。しかし、1月からは、原油の価格次第によってはさらに4.06円プラスすることができてしまうのです。 〓オール電化に不利な改定〓
電気料金の改定が、各単価において、燃料費調整額の分上乗せになるとすると、オール電化の売りである深夜電力の割引率が悪くなってしまいます。
そもそも深夜料金は、止められない原子力発電の余剰電力を捌くために設定されたもの、原油と同じくらいウランが高騰しているのなら話しはわかりますが、そうではないのに、燃料費調整額と同じ額を値上げするのは納得いきません(個別の新単価表が入手できておらず、東京電力の「新電気料金は現行単価+現行燃料費調整額」から推察しています)。確かに柏崎刈羽原子力発電所が止まっていますが、昼間と夜間の需給バランスから、きっちり単価に反映していただきたいものです。
〓値上げシミュレーション〓前回のレポート同様我が家の消費電力を元に、来年1月から2.7円(予想)の燃料費調整額がプラスされた場合、どのようになるのかをシミュレーションしてみました。 電気料金の値上げによる影響比較(燃料費調整額2.7円)
シミュレーションの結果、一般世帯に近い旧宅【ガス併用】で月平均847円の増加となりました 。ニュースでも来年1月から月平均800円前後の負担増と流れていますので、あまり外れていないと思います。オール電化では月平均1,513円も負担が増えてしまいます。 これはガスの基本料金よりも高くなってしまいます。「オール電化にすればガスの基本料金もいらなくなるし・・・」などと言っていられなくなります。 さらに、最悪のシナリオである燃料費調整額いっぱいの4.06円ではどうなるでしょう。4.06円までは、総務省への届出の必要がなく、自動で値上がりします。 電気料金の値上げによる影響比較(燃料費調整額4.06円)
ここまで行く前に、原油価格が下がることを期待するしかありません。太陽光発電の投資効果回収が早まるのは良いのですが・・・。
※2009年4月の電気料金の値下げ 【電気料金改定】2008年8月
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