2009年5月15日からエコポイントの付与が開始されます。このエコポイントとは、省エネ家電の購入者に付与されるポイントのことで、詳細が未定のままポイントの付与が開始されることになりました。家電量販店のチラシやニュースで既に目にしたことがあると思いますが、その仕組みや実態がよくわかりません。エコポイントについてわかっている範囲の情報をまとめてみます。
〓エコポイントとは〓
エコポイント制度とは、政府の追加経済対策の一環として、消費を刺激するために実施されるもので、対象消費(省エネ家電)を買った場合に付与され、何らかの商品やサービスと交換できるというもので
す。しかし、この「何らかの商品やサービス」というのが、エコポイント付与開始時点の5月15日にはまだ決まっていません。
エコポイントの対象となる製品は、省エネ性能を示す統一省エネラベル
が4つ星以上の製品で、エアコン、冷蔵庫、地デジ対応テレビなどです。これらを購入すると、製品の規格ごとに定められたエコポイントがもらえます。対象の製品には「エコポイント対象商品」のロゴマークが付きますので、購入の際に確認が必要です。
エコポイントは、1ポイント=1円で、エコポイントの受け取り方は、今後発足する予定の事務局に保証書や領収証を郵送すると、商品券のような形でエコポイントが返送される仕組みが有力とのことで、家電量販店のポイントカードのように、買ったその場でポイントが付与されるものではないようです。
エコポイントの付与期間は、2010年3月末までの予定で、ポイントの受取は8月以降、申請手続きやエコポイントと交換できる商品やサービスの詳細は6月以降に決まる予定です。
〓製品別のエコポイント数〓
エアコン |
|
|
冷蔵庫 |
|
|
地デジ対応テレビ |
冷房能力 |
ポイント |
|
容量 |
ポイント |
|
サイズ |
ポイント |
2.2kw以下 |
6,000 |
|
250L以下 |
3,000 |
|
26型未満 |
7,000 |
2.3〜3.5kw |
7,000 |
|
251〜400L |
6,000 |
|
26・32型 |
12,000 |
3.6kw以上 |
9,000 |
|
401〜500L |
9,000 |
|
37型 |
17,000 |
|
|
|
501L以上 |
10,000 |
|
40・42型 |
23,000 |
|
|
|
|
|
|
46型以上 |
36,000 |
エコポイントに該当する製品を買うと、上記のポイントが付与され、買い替えの場合には、エアコンとテレビが3,000ポイント、冷蔵庫が5,000ポイント追加されるようです。
エコポイント対象製品を確認できます↓
|
〓エコポイントと交換できる商品〓
エコポイントと交換できる商品の要件は
(1)省エネ・環境配慮に優れた製品
(2)公共交通機関のプリペイドカードや、環境寄付などをした企業が発行する全国で使える商品券
(3)地域振興券や商店街の商品券など地域振興に役立つもの
となっていますが、その詳細は決まっておらず、今のところどうなるかはわかりません。
個人的な意見ですが、中途半端に仕組みを複雑にせず、素直に値引きすれば良さそうなものですが、「エコ」と「経済対策」という大義名分を借りて、役人の天下り先の確保や、経済団体との癒着のために必要なのでしょう。「省エネ」という観点から、省エネ化が進んでいるエアコンや冷蔵庫はまだしも、地デジ対応テレビが対象製品になるのはおかしい
と思います。テレビの省エネ化はあまり進んでおらず、エコポイントを機に、ひとサイズ大きいテレビでも買われたら、省エネどころか、増エネになってしまいます。
我が家でも24型のブラウン管テレビを、32型の液晶ワイドテレビに変えようと思っているのですが、サイズが大きくなることもあって消費電力が変わらず、二の足を踏んでいました。
〓前倒しスタートは危険〓
「ポイントはつけますが、それで何ができるかは決まっていません。」民間ではまずあり得ない話しでしょう。買い控え対策として適用開始を急ぐのはわかりますが、何のメリットがあるのかわからないのでは、販売店も消費者も混乱してしまいます。家電量販店ではエコポイントを大々的にPRしていますが、「エコポイントが付きます!」といっても、「そのポイントは何に使えるの」と聞き返されたら答えようがありません。
また、悪い業者が、この「商品を買うと高額なエコポイントがもらえます!」などとウソをついて販売する詐欺なども懸念されます。例えば、オール電化のリフォームで、「エコキュートの導入に100万円かかります。でもエコポイントが50万ポイントついて、後で50万円分のお買い物ができますので、とてもお得です。」などという「エコポイントでエコキュート詐欺」、名づけて「エコエコ詐欺」なんていうのも出てくるのではないでしょうか。
〓省エネ家電は本当に省エネか?〓
2007年5月に「冷蔵庫」のレポートを書きましたが、その後、2007年9月に新しい冷蔵庫を購入しました。残念ながら今回のエコポイント制度の適用は受けられませんが、買い替えで本当に省エネになったのか、実際の消費電力を測って比較してみました。
カタログには年間消費電力が記載されていて、省エネ度の目安になるのですが、冷蔵庫の消費電力は、計測条件の度重なる改定で、よくわからなくなっています。また、計測条件と、実際の使用条件が必ずしも一致しているとは限らないので、実際の消費電力を計測して比較してみます。
まず、古い冷蔵庫ですが、シャープの1998年製で、容量は410L、この消費電力は、買い替え前に計測しており、計測期間中(1週間)の平均消費電力は130Wでした。一方、新しい冷蔵庫は、同じくシャープの2007年製で、容量は506Lとサイズが大きくなりました。しかし、消費電力は80Wと少なくなり、十分省エネを実感できます。1L当りの消費電力で比較すると、新しい冷蔵庫は古い冷蔵庫の約半分になっており、省エネ化が進んでいることが裏付けられました。
冷蔵庫の実消費電力と電気料金の比較 |
|
|
|
メーカー |
型番 |
製造年 |
容量 |
消費電力 |
1L当り消費電力 |
電気料金 |
シャープ |
SJ-E410JB |
1998年 |
410L |
130W |
0.31W |
25,053円 |
シャープ |
SJ-HV51M |
2007年 |
506L |
80W |
0.15W |
15,417円 |
※消費電力は、1週間の消費電力量を時間で割って算出(5月) |
※電気料金は消費電力×24時間×365日×単価22円で計算 |
エアコンやテレビについては実際に比較ができないので、カタログデータ等々から比較するしかないのですが、まず、エアコンについては冷蔵庫と同じく熱を処理する技術ですので、省エネ化に対するここ数年の技術進歩は目覚しく、冷蔵庫と同じような効果を得ることができると思います。
しかし、テレビについては、さほど省エネ化が進んでいるようには見えません。実際に我が家にある25型のブラウン管テレビは、消費電力が120W程で、同サイズの最新型液晶テレビでも10〜20%程度しか省エネになっていないようです。エコポイントも付くことですし、そろそろテレビを買い換えようと思っていますので、実際の比較ができましたらレポートします。
【エコポイント】
2009年5月
6月19日追記
〓交換商品〓
エコポイントの交換商品が決まりました。交換商品といっても、JRの「オレンジカード」や「Suica」といった公共交通機関のカードや、「Edy」や「nanaco」といった流通系のプリペイドカード、「おこめ券」や「ビール券」などといったいわゆる金券との交換です。
現金ではなく、金券ならば貯金されずにさらに消費に回るという狙いなのでしょうが、なんだかまどろっこしいですね。金券屋さんのための経済対策なのか・・・?
7月以降も定期的に交換商品を増やし、環境寄付も行えるようにするとのことですが、エコポイントでしか交換のできないプレミアム商品があると面白いと思うのにな〜。
|
お探しの情報がなかったら、
こちらで検索してみましょう! |
|
|